○小豆島町芸術文化のまちづくり条例

平成23年3月23日

条例第8号

自然をはじめ地域の素材と融合した芸術は、日常生活とは異なる価値観を分かち合い、人々が相互の理解を深め、訪れる人は安らぎや明日への活力を得て、迎える人は地域のすばらしさを再認識できる契機となり、心豊かな暮らしを構成する重要な要素の一つとなっている。

私たちは、これまで多くの芸術家が訪れたオリーブの丘や、町中が美術館として数多くの石彫作品が配置されている島の東部、今後多くの芸術家を輩出するであろう芸術家村など芸術との関わりを大切にしてきた。

こうした地域の個性や営みを活かしつつ、今後も小豆島を若手芸術家の創作活動の場、作品展示の場とする取り組みは、先進的かつ個性的な地域づくりの一翼を担うものである。

先人から受け継いだ小豆島の豊かな自然を守るとともに、町民のみならず、小豆島を訪れるすべての人が、心の豊かさと潤いを享受できるまちづくりに努めることは、私たちの重要な役割であり、芸術がもたらす意義と可能性を認識し、地域を愛するすべての者が協働しながら芸術を一つの柱としたまちづくりを進めていくことが必要である。

このような考え方に立ち、町民の総意として、芸術を活かした地域づくりに取り組むため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、地域と融合した芸術の振興に関し、基本理念を定め、今後の施策展開を明らかにすることにより、芸術を活かした地域づくりに関する施策を住民の理解と協力を得つつ推進し、もって豊かで潤いある地域社会の実現及び小豆島の発展に資することを目的とする。

(基本理念)

第2条 芸術の振興は、町民、芸術関係団体及び行政機関が協働し、自然、景観等の環境の保全に配慮しながら、それらの魅力を十分に活用することを基本として、芸術家を育んできた特性を活かした個性豊かな地域を形成するとともに、芸術に係わる活動が地域を牽引することを旨として、芸術を活かした地域づくりを推進する。

(町の役割)

第3条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、芸術を活かした地域づくりに関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。

2 町は、芸術を活かした地域づくりに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(町民の役割)

第4条 町民は、芸術家を温かく迎えるよう努めるとともに、地域の資源を活用した芸術活動に参画するよう努めるものとする。

(芸術関係団体の役割)

第5条 芸術関係団体は、基本理念にのっとり、その活動を行うよう努めるものとする。

2 芸術関係団体は、その活動に際し、他の芸術関係団体、行政機関等への情報提供に努めるものとする。

(検討会)

第6条 本町における芸術の振興を図るため、町長の附属機関として、アートフィールド検討会(以下「検討会」という。)を置く。

2 検討会の運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(施策の基本方針)

第7条 町は、芸術を活かした地域づくりについて、次に掲げる基本方針に基づき、各種施策を立案、実施するものとする。

(1) 町民及び芸術関係団体等と連携、協働するなど地域に根ざした取組を進める。

(2) 自然をはじめ地域の魅力ある資源を最大限活用する。

(3) 自然景観、歴史的景観の維持及び環境の保全に留意する。

(4) 来訪者が安心して快適に周遊を行うことができる環境づくりに努める。

(5) 各種の取組を一過性で終わらせることなく、将来への継続と発展に留意する。

(地域の指定)

第8条 町長は、芸術を活かした地域づくりに関する施策を重点的に進めるべき地域を指定することができる。

2 町長は、前項の指定に当たっては、あらかじめ、有識者及び検討会の意見を徴するものとする。

3 町長は、第1項の地域を指定したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

(拠点整備等)

第9条 町は、前条の指定をした地域において、活動拠点及び周遊性の確保に向けた施設の整備に努めるものとする。

2 町長は、前項の施設整備に当たっては、あらかじめ、有識者及び検討会の意見を徴するものとする。

(基金)

第10条 町は、第3条第2項の財政措置の財源を確保するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第241条第1項の規定に基づき、小豆島町アートフィールド基金(以下「基金」という。)を設置する。

(積立て)

第11条 基金として積み立てる額は、一般会計の歳入歳出予算で定める。

(管理)

第12条 基金に属する現金は、金融機関への預金その他最も確実かつ有利な方法により保管しなければならない。

2 基金に属する現金は、必要に応じ、最も確実かつ有利な有価証券に代えることができる。

(運用益金の処理)

第13条 基金の運用から生ずる収益は、一般会計の歳入歳出予算に計上して、この基金設置の目的の範囲内で事業の経費に充て、又はこの基金に編入するものとする。

(処分)

第14条 町長は、基金設置の目的のため、必要があると認めるときは、一般会計の歳入歳出予算に計上して、基金の全部又は一部を処分することができる。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

小豆島町芸術文化のまちづくり条例

平成23年3月23日 条例第8号

(平成23年4月1日施行)