○小豆島から映像作品の素晴らしさを発信する条例
平成29年3月31日
条例第13号
数多くの映画やドラマの舞台となっている小豆島。
その契機となった作品が、郷土が生んだ偉大な作家「壺井栄」の小説「二十四の瞳」を原作として、監督木下恵介、主演高峰秀子で昭和29年に公開された映画「二十四の瞳」です。
さらに、二度目の映画化の際に使用したセットを活用して開村した「二十四の瞳映画村」は、今も多くの来訪者で賑わっており、明治35年に建築された岬の分教場とともに、今や町民が誇れる貴重な財産となっています。
昭和29年に公開された「二十四の瞳」に主演した高峰秀子氏と当時助監督だった松山善三氏は、小豆島における撮影ロケーションを機に交際を始め、その後56年の間、偕老同穴を全うされました。いわば夫妻に幸せをもたらした島というご縁もあり、このたび夫妻の相続人より、松山善三・高峰秀子夫妻の不動産・動産の一部を寄贈されることとなりました。
寄贈される貴重な不動産、動産を有効に活用し、松山善三、高峰秀子夫妻を顕彰するとともに、映画関係者の表彰等各種の事業を行い、数々の映画やドラマの舞台となった小豆島から、映像作品の素晴らしさを国内外に発信するため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、日本映画をはじめとする映像作品の素晴らしさを国内外に発信し、もって数々の映画やドラマの舞台となった小豆島の発展に資することを目的とする。
(基本理念)
第2条 数多くの映像作品の舞台となった小豆島から映像作品の素晴らしさを発信することは、人々が育んできた地域の特性や素材を広く国内外にアピールし、ここに住む人々が地域を愛し、誇りをもてる地域づくりに資するとともに、これらの活動が地域の魅力を高める活動として推進されなければならない。
(施策の基本方針)
第3条 町は、映像作品の素晴らしさを国内外に発信することに関し、次に掲げる基本方針に基づき、各種施策を立案し、実施するものとする。
(1) 松山善三、高峰秀子夫妻及び相続人の遺志又は意向を尊重する。
(2) 映像作品に係る小豆島関係資料の収集及び保管に努める。
(3) 映画をはじめとする映像作品のロケ地誘致に努める。
(4) 各種の取組を一過性で終わらせることなく、将来への継続と発展に留意する。
(検討会)
第4条 日本映画をはじめとする映像作品の素晴らしさを国内外に発信し、地域の魅力を高める活動を効果的に推進するため、町長の附属機関として、映像作品の素晴らしさを発信する検討会(以下「検討会」という。)を置く。
2 検討会の運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。
(拠点施設及び組織)
第5条 町は、首都圏における情報発信及び資料収集の拠点として、東京都港区麻布永坂町1番地に松山善三・高峰秀子記念事業準備室を置く。
(1) 映画関係者の表彰等各種事業に関すること。
(2) 映像作品に係る小豆島関係資料、松山善三、高峰秀子夫妻の関係資料等の収集及び保管に関すること。
(3) 拠点施設の管理運営に関すること。
3 松山善三・高峰秀子記念事業準備室に室長その他の必要な職員を置く。
(事業)
第6条 町は、映像作品の素晴らしさを国内外に発信するため、松山善三、高峰秀子夫妻の顕彰、映画関係者の表彰等各種の事業を実施するとともに、必要に応じて、施設の整備を行うものとする。
2 町長は、前項の事業実施及び施設整備に当たっては、あらかじめ、検討会の意見を徴するものとする。
(基金)
第7条 町は、第1条に規定する目的を達成するため、松山善三・高峰秀子基金を設置する。
(積立て)
第8条 基金として積み立てる額は、一般会計の歳入歳出予算で定める。
(管理)
第9条 基金に属する現金は、金融機関への預金その他最も確実かつ有利な方法により保管しなければならない。
2 基金に属する現金は、必要に応じ、最も確実かつ有利な有価証券に代えることができる。
(運用益金の処理)
第10条 基金の運用から生ずる収益は、一般会計の歳入歳出予算に計上して、この基金設置の目的の範囲内で事業の経費に充て、又はこの基金に編入するものとする。
(処分)
第11条 町長は、基金設置の目的のため、必要があると認めるときは、一般会計の歳入歳出予算に計上して、基金の全部又は一部を処分することができる。
(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(平成29年規則第17号で平成29年6月1日から施行)
2 第5条第3項の職員として、松山善三、高峰秀子夫妻の相続人を室長に充てる。