小豆島町が「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出されました

小豆島町が2021年版「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出されました。

2021年版の「世界の持続可能な観光地TOP100選」の発表が10月5日に行われ、日本からは12の地域が選出されました。四国では小豆島町が唯一の選出となります。

世界の持続可能な観光地TOP100選のロゴマークと山の上からの小豆島町の風景

「世界の持続可能な観光地TOP100選」とは

「世界の持続可能な観光地TOP100選(以下、TOP100選)」とは、国際認証の公式認証機関であるオランダの非営利団体グリーン・デスティネーションズが、持続可能な観光の国際基準を取り入れ、より良い地域づくりに努力している地域を毎年選出しているものです。エントリーには、持続可能な観光に関する100項目にわたる国際基準のうち、景観保全や文化財の保護、エネルギー消費量の削減など、特に重要な15項目の指標をクリアしていること、さらに、地域の優れた取組事例「グッド・プラクティス・ストーリー」の存在が必要になります。
TOP100選に選定された地域は、認証の証であるロゴマークの活用や専用ホームページによる国際的なPRが可能となり、世界中からの観光客の誘客などが期待されます。

TOP100選の認証ロゴマーク

「持続可能な観光」ってなに?

「自然」「文化」「伝統」「そこに暮らす人々」などの地域資源を生かし、旅行者を受け入れ、地域経済を発展させながら、同時に自然環境や文化、伝統を守るという「そこに暮らす人々」の未来にも十分に配慮した観光のかたちです。

なぜ今、「持続可能な観光」が必要なの?

皆さんは、観光をするときどんな旅先を選び、旅先でどんな体験をしたいと思いますか?
今、海外では「環境や自然への配慮が為されている旅先を選びたい」「旅先ではエコのため、移動は徒歩や自転車を利用したい」などといった、旅先の環境や社会などに配慮した旅行の考え方を持つ旅行者が増えています。
新型コロナウイルスが蔓延する以前には、増え続ける観光客の極端な集中により、地域住民の日常生活や自然環境に多大な悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」が世界中で問題となっていました。国内外から多くの観光客が訪れる小豆島町も例外ではなく観光によって地域経済を回しながらも、町の宝である豊かな自然と歴史ある産業、守り継がれてきた伝統や文化を後世に残していくためには、持続可能な観光マネジメントが必要不可欠となっています。

世界に認められた小豆島町の「グッド・プラクティス・ストーリー」

中山千枚田の保全活動

中山千枚田に赤いかかしが立っている

「日本の棚田百選」にも選ばれている中山千枚田。農村歌舞伎など地域文化の基軸となっているこの美しい棚田は、担い手不足により、荒廃田が増加し、景観保全や伝統文化継承の危機に直面していました。

中山千枚田の将来を危惧した地域住民は、行政と連携し、「中山棚田協議会」を発足させ、棚田の現状調査や国内外の大学生による農業体験プログラムの受入など、関係人口を増やしながら棚田を中心とした持続可能な地域社会を目指し保全活動を行ってきました。協議会や地域住民の努力の結果、現在でも一定の景観と棚田の機能が保たれています。

近年では、映画のロケ地となったことをきっかけに伝統行事「虫送り」の復活。瀬戸内国際芸術祭により、国内外から多くの観光客が訪れるようになり活気に溢れています。また、観光客が耕作地等に入らないよう案内看板を設置するなど、そこに暮らす人々の生活と観光の間にお互いを思いやる一定の距離が芽生え、観光の賑わいを維持しながら、地域の景観や文化を守っています。

住民の中山千枚田を思う気持ちが地域と行政を団結させ、そこに観光という外からの視線が加わることで中山千枚田の希少性や価値が改めて見出されました。
 

郷土愛に守られた寒霞渓

紅葉の寒霞渓と内海のまち並み

小豆島が世界に誇る景勝地であり、人々を魅了し続ける名勝寒霞渓は、今よりはるか昔から先人たちの努力によって守られてきたことをご存知でしょうか。

その昔、寒霞渓の景観に注目した外国人によって土地が買収されそうになった際、乱開発を防ぐため、地元で醤油醸造業を営んでいた長西英三郎氏は、「神懸山保勝会」に巨額の寄付を行い、寒霞渓一帯の土地の取得に協力しました。その結果、土地の管理が一元化され、「日本三大渓谷美」と称されるまでの環境整備が進んでいきました。まさに、現在におけるナショナルトラストの先駆けとも言える活動が100年以上前の小豆島で行われていたのです。

今日では、瀬戸内海国立公園として、法律により景観や生態系が保護されていることはもちろんですが、先覚者たちの郷土愛を受け継ぎ、様々な地元団体や有志の方々が寒霞渓の景観保全活動や魅力の発信に取り組んでいます。

寒霞渓は、1,300万年の年月が生み出した「自然の美」の上に人々の郷土愛による保全活動が加わり創り上げられた、世界に誇る小豆島の宝です。先人たちが過去から私たちへ残してくれたこの宝物を、未来への最良の贈り物として繋いでいく義務が私たちにはあります。

グリーン・デスティネーションズ公式サイト

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更新日:2021年10月14日