小豆島町の構成文化財

構成文化財とは

日本遺産の構成文化財とは、認定された「石の島」のストーリーを語るために不可欠な文化財のことです。地域に受け継がれてきたあらゆる文化財を巡り、日本遺産の物語を楽しむことができます。

遠くに海と島々が見える紅葉の美しい寒霞渓

寒霞渓(神懸山)

1300万年前の瀬戸内火山活動によって誕生した寒霞渓。

瀬戸内・小豆島のすべては、ここから始まります。

「石切の歴史」に関する文化財

大坂城築城時に拓かれた小豆島の石丁場跡

石切の歴史を伝える場所として、石丁場跡が残っています。小豆島町には、国史跡にも指定されている岩谷地区の大坂城石垣石丁場跡(小豆島石丁場跡)や、福田地区と石場地区に町指定史跡の大坂城築城残石が残されています。

慶長14年(1614年)におこった大坂夏の陣により、大坂城は落城しました。その後、江戸幕府2代将軍徳川秀忠は元和5年(1619年)に落城した大坂城の再建を諸大名に命じました。諸大名は大坂城石垣の再築のため必要となった花崗岩を求め、瀬戸内海の島々に次々と石丁場を開きました。

国指定史跡の石丁場跡:大坂城石垣石丁場跡(小豆島石丁場跡)

現在でも約400年前の砕石の様子を色濃く残すのが、筑前福岡藩黒田家が開いた岩谷地区の石丁場です。

  • 天狗岩丁場
  • 天狗岩磯丁場
  • 南谷丁場
  • 豆腐石丁場
  • 亀崎丁場
  • 八人石丁場

この6ヶ所が国指定史跡となっており、丁場跡には、矢穴が刻印が確認できる残石がたくさんあります。約400年前当時の丁場の様子を知るができます。

 

海辺に置いたままになった大坂城築城時の残石

天狗岩磯丁場

天狗岩丁場の岩の中で男性が小さな子供を抱きあげている写真

天狗岩丁場

山の中にそびえる豆腐のように美しく割られた巨石

豆腐石丁場

大坂城築城時の石材が割られた状態でごろごろと丁場跡に残る

天狗岩丁場の刻印広場

石の側面に二つの刻印が並んで刻まれている

刻印石

高さ約5メートルの石材に矢穴の列が2列あり、そのうちの1列割られた状態で残されている

八人石丁場の残石

青い海と空を背景に自然石を用いて積まれた石垣がある

大坂城用残石番屋七兵衛屋敷跡

残石の管理は明治時代初めまで続きました

大坂城の石垣普請の終了後も、黒田家は石の管理のため番人を岩谷地区に置いていました。番屋七兵衛屋敷跡として屋敷の石垣の一部が残っています。

大坂城築城残石

黒田家のほかにも、小豆島には様々な大名が丁場を拓きました。福田地区は伊勢津藩藤堂高虎、石場地区では筑後柳川藩田中忠正の丁場があったことが分かっています。

木々の間に矢穴が確認できる巨石がひとつある

大坂城築城残石(福田)

海と空を背景に砂利石の上に「田ちくこの」と刻まれた残石がひとつある

大坂城築城残石(i石場)

水の張った堀の向こうに大坂城の石垣と、遠くに大坂城天守閣の一部がみれる
【海を越え運ばれた小豆島の石】

徳川大坂城の石垣は、17世紀における正解最大級の石造文化遺産といわれ、巨大で規格化された大量の石材を必要としたことから、戦国大名たちは、小豆島をはじめとする瀬戸内海の島々に丁場を拓き、石を切り出し、大坂の地に運びました。

花崗岩の岩盤に石をとった岩肌がみえ、地面は湖のように水がはっている。

森ヶ滝丁場跡

皇居正門石橋のふるさと。現在は、岩を切り進めたなごりとして、岩肌のノミの跡や、雨水のたまった丁場湖などから当時の隆盛をうかがい知ることができる。

二つのアーチをもつ石橋が、水面にうつっている

皇居正門石橋

【海を越え運ばれた小豆島の石】

鉄橋と合わせて二重橋と呼ばれることも多い『皇居正門石橋』。明治の宮殿造営の際に、木橋から小豆島の石を用いた石橋へと架け替えられました。

「石の産地を支えた海運」に関する構成文化財

醤油蔵の前に重しとして使われていた石の道具が並べられている

石材運搬は上方から醤油文化を小豆島にもたらし、石は醤油産業に欠かせない道具として使われてきた。醤油醸造蔵が立ち並ぶ「醤の郷(ひしおのさと)」では、戦後まで重石として使われていた石が並べられ、町の景観に溶け込んでいる。

「石と共に生きるー生活文化」に関する構成文化財

薄暗い夕暮れ時に大勢の観客の前で中山歌舞伎が上演されている

中山農村歌舞伎

小豆島の中山間地域である中山地区には、石積みで作られた桟敷席、舞台とともに、農村歌舞伎が受け継がれている。南向きの斜面と石を巧みに利用し、豊かな水を引いた棚田「千枚田」がある。

自然の石で積み上げられた桟敷が何段にもわたり広がっている

池田の桟敷

瀬戸の海に面して、自然の地形を巧みに利用し、石を野面積にした桟敷の傑作である。大阪万博のパヴィリオンのモデルとなった。現在も祭礼の見物席として活用されている。

田植えが終わったばかりの水田が何段にもひろがっている

中山千枚田

日本の棚田百選に選定されている中山千枚田。名水湯船山からの豊かな水は、名水百選にも選ばれ、おいしいお米が育つといわれている。

自然の石を用いて築かれた石垣が山中にある

しし垣

小豆島内を張り巡らされるように築かれたしし垣は全長120キロメートルにも及ぶ。イノシシやシカなど獣から田畑を守るために作られたしし垣については、築造から維持管理を村人全員で行うことを申し合わせた記録もあり、当時の人々にとっていかに石を積むことが身近なものだったかを表している。

神社の拝殿内で5人の男性が座り、神棚にむかって神主さんがお祓いをしている

山の神祭り

大坂城築城時の藤堂高虎の丁場とされる西谷丁場近くにある大山祗神社では、毎年1月9日に「技術の習得」と「安全」を祈願する「山の神祭り」が地元住民の手で行われ続けている。石工と石船により隆盛を極めたこの地区を特徴づける行事の一つである。

ごつごつとした岩肌がみえる山地に位置する山岳霊場

小豆島の山岳霊場

空海が開いたとされる小豆島八十八ヶ所には、険しい石崖の洞窟に本尊を祀る山岳霊場が多く見られ、石と信仰の結びつきを物語る。西ノ滝はその典型で、小豆島最古の寺といわれ、境内から瀬戸内海を一望できる。

遠くに海と島々が見える紅葉の美しい寒霞渓

神懸山(寒霞渓)

瀬戸内海国立公園を象徴する場所。表12景、裏8景の渓谷のいたるところで長年の風化により形作られた奇岩をみることができる。神懸山を含む山地一体が霊地として古来信仰されている。

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商工観光課
〒761-4492
香川県小豆郡小豆島町片城甲44番地95
電話番号:0879-82-7021
ファックス番号:0879-82-7028

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更新日:2020年03月13日