○海の道を活かし、アートや文化による地域活性化を目指す条例

平成26年6月23日

条例第15号

島々にとって航路は道であり、道があってはじめて人々は、外の世界と交流し、つながっていくことができる。瀬戸内海の中心に位置する小豆島は、古くから海路の要衝として、多くの人や物が行き交い、様々な産業が生まれ、特有の文化や生活様式を育んできた。

航路を通して培われてきた歴史・文化・産業などは今も小豆島の魅力を醸し出しており、島の活性化のためには、航路の維持が最重要課題の一つである。

また、瀬戸内国際芸術祭では、瀬戸内海の島々がアートにより魅力を形とし、船で結ばれることで輝きを取り戻すことが立証された。小豆島・神戸間の定期フェリー航路が復活した坂手港では、瀬戸内国際芸術際2013の舞台の一つとなり、かつての賑わいを取り戻しつつある。

一方、地方の急激な人口減少により、地方自治体の機能が阻害されるとの意見もある中、これを克服するため、若者や女性をはじめそこに暮らす全ての人々が活躍できる場となり、日本と世界の希望の島を目指す取り組みが強く求められている。

これまで海の道を通して培われてきた島の宝物を次なる世代に引き継ぐことはもとより、阪神航路の玄関となる坂手港及びその周辺地域において、海の道を活かして、外との交流を促進し、アートや文化を振興し、全国のモデルとなる先駆的な子育ち、高齢者施策の推進による地域活性化を図るため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、海の道を活かし、アートや文化による地域活性化の基本理念を定め、今後の施策展開を明らかにすることにより、海の道を活かし、アートや文化による地域づくりを住民の理解と協力を得つつ推進し、もって豊かで活力ある地域社会の実現及び小豆島の発展に資することを目的とする。

(基本理念)

第2条 海の道を活かし、アートや文化の活動が島における地域づくりの根幹をなすことを基本として、町民、関係団体及び行政機関が協働し、島の特性を活かした個性豊かで活力ある地域社会を形成するとともに、海の道を活かし、アートや文化による地域づくりを推進する。

(町の役割)

第3条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、海の道を活かし、アートや文化による地域づくりに関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。

2 町は、海の道を活かし、アートや文化による地域づくりを推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(町民の役割)

第4条 町民は、海の道を活かし、アーティストその他多様な人の参加を得て、交流、協働し、アートや文化による地域づくりに参画するよう努めるものとする。

(関係団体の役割)

第5条 関係団体は、基本理念にのっとり、その活動を行うよう努めるものとする。

2 関係団体は、その活動に際し、他の関係団体、行政機関等との連携に努めるものとする。

(施策の基本方針)

第6条 町は、海の道を活かし、アートや文化による地域づくりについて、次に掲げる基本方針に基づき、各種施策を立案、実施するものとする。

(1) 町民及び関係団体等と連携、協働するなど、地域に根ざした取組みを進める。

(2) 人が集い、人が交わり新たな文化の創造等に向け、海の道を最大限活用する。

(3) その効果を町全域に波及させるためモデルとなる事業の実施に努める。

(4) 先駆的な子育ち、高齢者施策の推進に向けた環境づくりに努める。

(5) 移住者などが空き家を活用できる環境づくりに努める。

(6) 海の道の拠点に相応しい景観の維持と保全に留意する。

(7) 来訪者が安心して小豆島を観光することができる環境づくりに努める。

(8) 各種の取組みを一過性で終わらせることなく、将来への継続と発展に留意する。

(拠点整備等)

第7条 町は、阪神航路に加え、高松航路も有し、アートや文化に関する活動が活発に行われている坂手港及びその周辺地域において、次に掲げる施設の計画的な整備と航路維持に向けた取り組みに努めるとともに、アートや文化による先駆的な子育ち、高齢者施策の推進など、子ども、高齢者、アーティストその他多様な人が集い、学び、楽しめる活動を促進するものとする。

(1) 新たな文化の創造などに資する活動拠点及び交流拠点

(2) 教育、文化の振興に資する施設

(3) 港湾機能の強化に資する施設

(4) 観光拠点として必要な情報発信施設

(5) その他海の道を活かし、アートや文化による地域づくりに必要な施設

2 町長は、前項の施設整備に当たっては、あらかじめ、小豆島における産業の営みを基盤とした地域活性化を目指す条例(平成23年小豆島町条例第7号)第6条に規定する産業の営み検討会の意見を徴するものとする。

(基金)

第8条 町は、第3条第2項の財政措置の財源として、小豆島町地域振興基金条例(平成22年小豆島町条例第19号)第1条の規定に基づき設置した小豆島町地域振興基金を活用することができる。

(委任)

第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(その他)

第10条 町は、坂手港以外の町内各港における振興を検討するものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

海の道を活かし、アートや文化による地域活性化を目指す条例

平成26年6月23日 条例第15号

(平成26年6月23日施行)