しし垣 【町指定有形民俗文化財 ほか】

更新日:2021年08月18日

長崎のしし垣

長崎のしし垣【町指定】

小豆島の山中には、しし垣と呼ばれる石垣や土塀がところどころに残っています。古来島には猪や鹿が多く生息し、農作物への被害が深刻でした。これを防ぐため、人の世界(里)と獣の世界(山)の間に築かれたのがしし垣です。

しし垣は島をぐるりと駆け巡り、総延長は30里(約120キロメートル)に及びました。この大規模な普請(工事)を寛政2年(1790)に完成させました。

島のしし垣の大きな特徴は、自普請(じぶしん)であることです。幕府や近隣の藩に頼らず、普請、経費負担、維持管理等のルール、ルート等についても、村同士が相談しながら、利害対立をも克服し、島民のみの力で少しずつ積み上げ完成させました。古文書から読み取れる事例は数例ですが、しし垣に関わった村は40を超え、大変な苦労が偲ばれます。またこの獣害問題に対し当時の島民がいかに強く結束していたかがわかります。このしし垣の功労者である上村(神懸通地区)の村上彦三郎は、木下庵にある石碑にその功績が記され大切に顕彰されています。

町では橘峠、長崎地区のものを文化財指定しています。橘峠は花崗岩製の重厚な石垣で、長崎は土壁の全国的にも珍しいものです。この他吉田地区等でも見ることができます。

近年では、小豆島猪鹿垣の会が長年に渡って調査された報告書を刊行されました。ぜひご覧ください。

橘峠のしし垣

橘峠のしし垣【町指定】

吉田のしし垣

吉田のしし垣

基本情報
所在地 小豆島島内(地図は長崎のしし垣です)
時代 江戸時代
指定 長崎(昭和61年6月23日) 橘峠(昭和45年10月2日)
見学 長崎・・・常時可能 橘峠・・・私有地につき不可 吉田・・・常時可能
  • 山に分け入っていく形になりますので、見学に当たっては注意してください。 

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