皇子神社社叢【国指定天然記念物】

社叢の植生は、ほぼ全てがウバメガシで覆われ、トベラ、クスドイゲ等が混在しています。イブキも多く、北側海岸付近の崖上に群落を作っており、国内希有の自生地です。また朝鮮系珍植物のチョウジガマズミも混在しており、春にはピンク色の美しい花を楽しめます。林床には耐乾性シダのヒトツバが生い茂り、ウバメガシ・ヒトツバ群落という瀬戸内海海岸の特徴的な森の姿を残します。
また、西側の崖にはサヌキトイドと呼ばれる地下のマントルと直結した安山岩があり、これが花崗岩に貫入している様子を観察でき、珍しい地質が見える場所としても知られます。
社叢は、地域では「権現さん」と親しまれ、人々の生活とも関わっていました。神浦の内湾外湾全てが見渡せる山頂に「魚見台」という石積があります。これは、山頂からイワシの群れを探し、旗等で海上の漁船団に合図して漁を行っていたものです。社叢として信仰するだけでなく時に生活の場の一部としても機能していました。
社叢上部の林床をおおうヒトツバと
その間から生えるウバメガシ
社叢山頂部にある魚見台
チョウジガマズミ
所在地 | 皇子神社(小豆島町神浦) |
指定 | 昭和5年1月31日 |
見学 | 随時見学可能です。 |
本社叢内の環境と植生を守るため、見学にあたっては、以下のことに注意をお願いします。
- 社叢内の動植物・鉱物の捕獲、伐採、採取や、植物の植栽、土地の形質変更、工作物の設置などの、保存に影響を与えることは行わないこと。
- 歩道以外の場所に立ち入らないこと。
この記事に関するお問い合わせ先
生涯学習課
〒761-4492
香川県小豆郡小豆島町片城甲44番地95
電話番号:0879-82-7015
ファックス番号:0879-82-1025
更新日:2020年03月13日