小豆島町が「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれました

ベスト・ツーリズム・ビレッジ申請に使用した小豆島町紹介動画

小豆島町と土庄町が揃って認定。「島はひとつ」で観光により持続できる島を推進
2025年10月17日に、中国浙江省湖州市での国連世界観光機関(UN Tourism)の総会において、「ベスト・ツーリズム・ビレッジ2025」が発表され、65ヵ国、270地域の中から、小豆島町が認定されました。島内の土庄町も認定され、島全体の魅力が認定されました。
日本ではこれまで、8地域が認定されており、中四国では初めてとなります。
UNTourismホームページ「ベストツーリズムビレッジ」発表
UN Tourism(国連世界観光機関)とは
観光における国際主導機関で、観光を通じた豊かな社会の実現と各国の相互理解の促進を理念に掲げ、責任ある持続可能な観光の促進を目的とした国際連合の専門機関です。160の加盟国及び6地域、500以上の賛助会員で構成されています。
ベスト・ツーリズム・ビレッジとは
ベスト・ツーリズム・ビレッジとは、UN Tourism(国連世界観光機関)が2021年から実施しているもので、持続可能な開発目標(SDGs)に沿って、観光を通じて文化遺産の保全や持続可能な開発に取り組む優良地域を認定するプロジェクトです。
観光を通じて、地域の景観、知恵、生物・文化の多様性、産業といった地域が持つ様々な側面の価値の向上、保護を促進することを目指し、地域の優良事例を集めることを目的としています。
応募要件
- 人口15,000人以下の地域
→ 小豆島町と土庄町はそれぞれに申請し、認定を受けました
- 農業、林業、畜産業、漁業等の第1次産業を行っている
- 地域コミュニティの価値観やライフスタイルを保持するような取り組みを行っている
これまでの選出状況
年度 | 推薦数 | 選出数 | 日本の選出地域 |
2021年 | 75ヵ国174地域 | 32ヵ国44地域 |
京都府美山町 北海道ニセコ町 |
2023年 | 57ヵ国136地域 | 22ヵ国32地域 |
北海道美瑛町 宮城県奥松島地区 長野県白馬村 岐阜県白川村 |
2024年 | 55ヵ国260地域 | 29ヵ国54地域 |
山形県西川町 鹿児島県天城町 |
2025年 | 65ヵ国270地域 | 52地域 |
香川県小豆島町 香川県土庄町 和歌山県高野町 奈良県明日香村 |
9つの選定基準

小豆島町の取り組み
小豆島町には、自然や文化、産業など様々な魅力や特色がありますが、それらが育くまれた理由のひとつに「離島」という地理的条件があります。
離島であるがゆえ、悪天候時には孤立をすることもありますが、海は新しいものを運んでくる道でもあり、塩や醤油、素麺、オリーブなど多くの産業や農村歌舞伎などの文化は、全て海を通じて島に運ばれてきました。
新しいものを離島で守り育てるには、自分たちの手で挑戦し続けるしかありません。
「離島で生きる」ー
人々の営みが自然や資源などと相まって、「育み、守り、新しい風を吹かせる」循環となり、昔から持続可能な島が自然に創られてきました。
これからも海を通じてたくさんの人々やコトやモノお迎えし、多様性を尊重しあいながら、人々の営みや自然や文化といった小豆島が大切にする全てに配慮することで、世界中の人に選ばれ、賑わう「観光により消費される島ではなく、観光により持続できる小豆島」を目指します。
観光分野の取り組み
「島はひとつ」の観光推進

小豆島観光ビジョン
島内2町で「小豆島観光ビジョン」を策定し、10の基本戦略と30のアクションプランにより、「観光により消費される島ではなく、観光により持続できる島」を目標として持続可能な観光推進に取り組んでいます。
国際基準による持続可能な観光推進

シルバーアワード受賞
離島の特性上、自分達の暮らしや資源を持続可能にするべく守ってきた歴史的経緯を大切に、国際基準による持続可能な観光推進に取り組んでいます。「世界の持続可能な観光地TOP100選」に2021,2022年と町が選出され、2024年には「グリーン・デスティネーションズアワード」で小豆島がシルバーアワードを受賞しました。
海と離島の暮らしから生まれる観光推進

瀬戸内国際芸術祭
海上交通の要衝として、海を通じて運ばれた産業や文化、などの地域資源を醤油蔵見学、素麺の箸分け体験などの観光コンテンツにいかしています。また、「海の復権」テーマの瀬戸内国際芸術祭が3年に1度開催され、地域資源の価値を高めています。
9つの基準による特徴的な資源や取り組み
文化・自然資源
瀬戸内海国立公園に位置し、約1,500万年前の火山活動と浸食により特徴的な地形が生まれました。海を通して、他地域から様々な産業や文化が運ばれ、町内には「小豆島農村歌舞伎」(国指定無形民俗文化財)や日本遺産に認定された「せとうち備讃諸島・石の物語」の構成文化財である「大坂城石垣石丁場跡小豆島石丁場跡」(史跡)、名勝寒霞渓や中山千枚田といった自然資源にも恵まれ、町内には181の指定等文化財が所在しています。

火山活動と浸食により創られた名勝寒霞渓

地域の人々により、約350年紡がれた中山農村歌舞伎
文化資源の振興・保全
離島の暮らしそのものが文化資源になっているという特徴があります。
町では、「文化財保存活用地域計画」を策定し、地域全体を文化財と捉え、持続可能な振興保全の取り組みを行うとともに、各地域や事業者が自らの文化資源保全のため、地域の宝物を未来へ継承するための様々な取り組みを進めています。

棚田保全と伝統文化保存による良好な文化的景観

木桶醸造醤油の文化継承
経済分野の持続可能性
第3期小豆島町総合戦略に「産業の再興と雇用基盤の強化」を掲げ、町では、創業支援や町独自の企業誘致助成制度、販路開拓支援などのほか、島外の民間事業者と小豆島2町による「20年先の小豆島の未来をつくるプロジェクト」など官民連携による取り組みを通じて、地域経済を循環するとともに、宿泊税等導入検討など、持続可能な地域社会を目指しています。

国の制度を活用し、新規創業支援を行う「地域経済循環創造事業」

島外の民間事業者と2町の共同による「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」
社会分野の持続可能性
誰もが住みやすい町づくりを目指し、インクルーシブな社会の実現を目指しています。小豆島観光ビジョンにサステナブルな観光推進を掲げ、就労、教育、情報などに格差が生じないようにするとともに、バリアフリー対応や交通アクセスなどのインフラ整備、また観光人材の育成や地域の人の理解と協力によるホスピタリティ向上といったハード・ソフト両面で取り組み、受入体制を整備しています。
誰もが楽しめる小豆島を目指す「ユニバーサルビーチ」

教育と生きる力の格差解消を目指す「STEAM教育」
環境分野の持続可能性
面積の40%が瀬戸内海国立公園に指定される自然豊かな小豆島では、住民のボランティア団体による名勝寒霞渓の保全活動や海岸清掃等が行われています。町のイベントでは高校生の提案による「10種分別エコステーション」が導入されるなど、若い世代からの啓発が行われています。また、町では「小豆島町エネルギーマスタープラン」を策定し、観光振興とカーボンニュートラルとの融合を図る取り組みを進めています。

みんなの手で守る美しい瀬戸内海~海ごみ回収~

高校生の提案による10種分別エコステーション
観光開発とバリューチェーンの強化
小豆島観光ビジョンを指針に、宿泊旅行調査、インバウンド調査等を行い、観光振興の基礎資料としています。町では、瀬戸内海国立公園に属する離島ならではの自然、文化といった地域資源を最大限に活用し、瀬戸内国際芸術祭や2市2町での日本遺産認定など、他地域とも交流を行っています。また、地域課題を解決する食のイベントの開催、新たな観光資源となる地域密着の着地型旅行やロケツーリズムの支援などを行っています。
食事場所不足などの課題解消を目指す「小豆島サステナブルガストロノミー」
山岳霊場を巡礼する地域密着の着地型ツアー
観光分野のガバナンスの優先順位付け
島内2町が策定した「小豆島観光ビジョン」において、共通課題に取り組んでいます。一方、「小豆島町総合戦略」においても、観光産業を重要施策に位置付け、ビジョンとの整合性を図りながら、「観光により消費される島ではなく、観光により持続できる島」の実現を目指しています。いずれも、地域住民や観光関連事業者、行政、学生など幅広いステークホルダーの意見が反映されています。

島内初の長期観光計画「小豆島観光ビジョン」

次代に夢をつなぐ持続可能なまちづくり「第3期小豆島町総合戦略」
アクセス・インフラ
島内2町が、小豆島地域公共交通計画を策定し、持続可能な地域公共交通の充実を目指しています。離島である小豆島のアクセスは、島内4港から1日約60便が運航しており、島内陸路は唯一の公共交通機関である小豆島オリーブバスが幹線を運行、一部の支線を町営バスが補完しています。
また新たな二次交通として、シェアサイクルや電気自動車、電動バイクのシェアリングサービスを官民連携で展開しています。

公共交通の基幹的役割を担う「小豆島オリーブバス」

関西からの玄関口:坂手港に新たに整備した「小豆島坂手ポートターミナル」
公衆衛生・安心・安全
離島であることから、緊急時に備え、関係機関が連携して緊急体制を構築しています。町では、小豆島町総合戦略の基本施策に「安心・安全の推進」を掲げ、小豆島町地域防災計画の策定などによる防災対策の強化とヘリや救急艇による救急救命体制の構築などの医療・福祉の充実に努めています。また、名勝寒霞渓では、島民や観光客が安全に登山できるよう、定期的なパトロールによる維持管理を行っています。
ヘリや救急艇による救急救命体制の構築
サイネージによる旅行者の避難誘導
今後の観光推進目標
サステナブルな離島デザイン

世界の宝石と呼ばれる瀬戸内海にある離島の良さを生かした持続可能な観光に取り組むことで、世界中の人から選ばれる離島を目指します。
また、人や自然、産業、文化など町を創る全てに配慮しながら、地域経済循環を促進し、「観光により消費される島ではなく、観光により持続できる島」づくりに取り組みます。
インクルーシブな離島

性別、年齢、国籍、障害等の有無に関わらず、全ての人が快適に暮らし、訪れることのできるインクルーシブなまちづくりのため、バリアフリー化やホスピタリティの向上などハード、ソフト両面から多様な魅力のある町を目指します。
「離島・小豆島」プライドの継承
地域に残された宝物である自然や産業、文化、農林漁業などの保全・継承を行うとともに、地域と関係人口の交流等により磨くことで新しい観光コンテンツにつなげ、地域の希望と誇りを高めます。
島内2町が認定された意義
今、小豆島では、小豆島町と土庄町が2024年に「小豆島観光ビジョン」を共同策定し、「観光により消費される島ではなく、観光により持続できる島」を目指し、「島はひとつ」で持続可能な観光に取り組んでいます。
2町がともにベストツーリズムビレッジに認定されたことは、これまでも、今も、島全体が自然・文化・暮らしなどの調和を大切に守りながら、積み重ねた努力や成果が国際的に評価された証です。
この受賞を更なる契機として、「島はひとつ」として誇りや一体感を高め、未来に向かって「持続可能な島づくり」を進めます。
報道発表資料
251021【観光庁】ベスト・ツーリズム・ビレッジ報道資料 (PDFファイル: 226.0KB)
251021「ベスト・ツーリズム・ビレッジに選ばれました」(小豆島町・土庄町共同報道資料) (PDFファイル: 600.5KB)
この記事に関するお問い合わせ先
商工観光課
〒761-4492
香川県小豆郡小豆島町片城甲44番地95
電話番号:0879-82-7021
ファックス番号:0879-82-7028
更新日:2025年10月21日