その8 難聴を放置しないことが認知症の予防になる
難聴とフレイルの関係
フレイルは「加齢に伴い心身の働きや社会的なつながりが弱くなってきた状態」で、放置すると要介護状態になる可能性があり、早めに対策をすれば「健康」に戻ることができます。
小豆島中央病院耳鼻咽喉科の医師に、フレイル予防の3要素「社会参加」に関連する「聴力」についてご紹介いただきました。
「聞こえにくさ」をそのままにしていませんか?
中高年の方で、聞こえにくさを「年齢のせいだから」と決めつけて放置している方が多いのではないでしょうか。
2023年1月にアメリカの医師会が刊行している医学誌で、アメリカ全土2400人を超える高齢者を対象とした「難聴と認知症の関連性に関する研究」結果で、難聴のある高齢者の認知症有病率は、難聴のない高齢者に比べて61%高いと報告されました。また、補聴器を適切に使用した場合は認知症の有病率が32%低下することも示されました。
つまり、聞こえにくさを放置して、会話に参加することや人との関わりが減ると、うつ病や認知症の原因になる可能性があります。
一般に、聴力は40歳頃から衰え始め、70歳頃には約半数の方が難聴による不便さを感じると言われます。難聴は、突発性難聴などの疾患と加齢によるものがあります。疾患は、早期の医療的介入が聴力を改善や維持させる場合があります。一方、加齢による難聴は長期間で少しずつ進行するため、自覚しづらいのが特徴です。
こんな時には受診しましょう
「聞き返しが多くなった」「テレビの音量を大きくする」「電話の声が聞こえにくい」など、難聴を自覚した時や、周囲から指摘された時は良い機会と考え、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
小豆島中央病院では、耳鼻咽喉科外来で聴力検査などを行い、その結果、補聴器が必要と判断した方には補聴器外来をご案内しています。
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更新日:2025年04月01日