「小豆島農村歌舞伎」が国の重要無形民俗文化財に指定されました。

更新日:2024年02月14日

令和6年度の中山農村歌舞伎の奉納は、以下のとおりです。

令和6年度中山農村歌舞伎
日時 令和6年9月29日(日曜日)午後5時から
場所 中山の舞台(小豆島町中山)
肥土山農村歌舞伎

肥土山農村歌舞伎

中山農村歌舞伎

中山農村歌舞伎

令和6年1月19日(金曜日)に開催された国の文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、「小豆島農村歌舞伎」を重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学大臣に答申されました。今後、官報告示によって正式に指定される予定です。

国の重要無形民俗文化財への指定については、香川県内では4件目であり、小豆郡内では初となります。また、農村歌舞伎の分野では、大鹿歌舞伎(長野県)に続いて全国で2件目の指定になります。

【追記】小豆島農村歌舞伎は、令和6年3月21日(木曜日)に官報告示が行われ、正式に指定されました。

指定の概要

文化財指定の概要
名称 小豆島農村歌舞伎
文化財の所在地 香川県小豆郡土庄町、小豆島町
保護団体 肥土山農村歌舞伎保存会、中山農村歌舞伎保存会
公開日 毎年5月3日(肥土山農村歌舞伎)、毎年10月第2日曜日(中山農村歌舞伎)

指定の趣旨

中山農村歌舞伎白浪五人男

青砥稿花紅彩画 稲瀬川勢揃いの場

(中山農村歌舞伎)

本件は、江戸時代以来小豆島の島民によって演じ継がれてきた地芝居で、かつては島内多数の地区で演じられた歌舞伎が、2地区のみに現存する希少な伝承です。

伝承内容には上方歌舞伎の演技演出の影響がうかがえるなど、地域的特色も顕著であり、本件は西日本における農村歌舞伎の展開や変遷の過程を示して重要です。

文化財の説明

中山農村歌舞伎三番叟

三番叟(中山農村歌舞伎)

本件は、香川県土庄町の肥土山地区と小豆島町の中山地区に伝わる地芝居で、肥土山では肥土山離宮八幡神社境内の舞台で、中山では春日神社境内の舞台で、それぞれ五穀豊穣等を祈り、地域住民による奉納上演が続けられています。

両舞台ともに、取り外し式の花道や、回り舞台、セリ等、歌舞伎舞台独自の設備が備わり、それぞれ「肥土山の舞台」「中山の舞台」として、重要有形民俗文化財指定を受けています。なお舞台のほか、両地区には多数の衣裳や鬘(かつら)、台本等も伝えられ、公演に活用されています。

肥土山農村歌舞伎寿式三番叟

壽式三番叟(肥土山農村歌舞伎)

両地区とも必ず「三番叟(さんばそう)」で幕をあけ、舞台を浄めます。伝承演目は義太夫狂言が多く、「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」「絵本太功記(えほんたいこうき)」等の時代物のほか、世話物、また純歌舞伎も演じられ、狂言立ては「三番叟」含め毎年3、4番ほどです。

小豆島の歌舞伎には、幕末以降、上方歌舞伎の芸を身につけた役者たちが来島・居住して指導しました。そのため、演技・演出には、今なお上方歌舞伎の特徴がうかがわれます。また桟敷割りのしきたり等、地域的な伝統も保持しています。

中山農村歌舞伎デコ芝居

中山農村歌舞伎独自の付属芸能 デコ芝居

(恋飛脚大和往来 新口村)

中山農村歌舞伎絵馬

中山春日神社拝殿内にある歌舞伎絵馬

(歌舞伎絵馬 楠公父子桜井駅の別れ)

伊勢参りに出かけた村人が奉納したもの

参考

中山の舞台

国指定重要有形民俗文化財 中山の舞台

  • 関連する文化財として、国指定重要有形民俗文化財「肥土山の舞台」(土庄町)と「中山の舞台」(小豆島町)があります。今回の答申・指定を経て、舞台と農村歌舞伎が共に国指定文化財になります。このように奉納場所である有形の舞台と、そこで伝承される無形の農村歌舞伎がともに国指定文化財となる事例は、全国初です。
中山農村歌舞伎衣裳

豪華絢爛な歌舞伎衣裳(中山農村歌舞伎)

  • 「小豆島農村歌舞伎」は、平成27年に国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されています。これを受け、平成29年度から令和元年度にかけて、学識経験者、両町、保存会、自治会等が協働して文化財調査を行い、農村歌舞伎のもつ魅力や価値を報告書にまとめています。報告書は、郡内の公民館・図書館でご覧いただけます

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